児童心理司(心理判定員)とはどんな資格なのか?
2015/10/23
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児童心理司というのは、児童相談所や身体障害者更生相談所などの施設で、心理学などの専門的な知識から子供や子供の保護者の審理判断を行い援助をする仕事になります。もともとは、心理判定員という名称でしたが、平成17年から児童相談所で働く職員の名称が「児童心理司」に変わりました。ただし、児童相談所以外の機関・施設で働く場合のみですので、そのほかの場合は心理判定員の呼称は変わっていないのですが、ここでは「児童心理司」で紹介したいと思います。
児童相談所などでは、児童心理司は児童の心理状況を確認し把握するために、心理判定員がさまざまな心理検査や面接などを通じて審理判断を行い、セラピストが心理療法などによって児童の指導や親へのカウンセリングを行います。両社は違う職業ですが、同じ職員が兼務しているのが一般的です。児童心理司が1人で仕事にあたるわけではありませんが、児童心理司はセラピストとしても活躍していることが多いです。
ですが、児童心理司は国家資格のように国に指定されている資格ではありません。地方公務員試験に合格して心理関係の職業に就くと認められる資格です。つまり、簡単に言うとそういった関係の職業に就いてはじめて認められる資格というわけです。そのため、児童心理司の職種は地方公務員になります。児童心理司の資格を取得する方法は以下の2つです。
・精神衛生に関係する学識経験を持つ医師または同水準の人
・大学や大学院において心理学を専門に学び、又は同水準の課程を修了して卒業した人
どちらか2つの条件を満たす必要があります。
もっと詳しく分かりやすく説明すると、児童心理司になるには、まず心理学を専攻する学科を専攻してきちんと修了し、学校を卒業する必要があるということです。そうすれば児童心理司の受験資格を取得することが出来ます。児童心理司任用資格というものなのですが、これさえ修得することが出来れば採用試験を受験することが可能になります。そこで、地方自治体などの公務員試験に合格し、仕事をすることによって児童心理司になることが出来るのです。資格取得の見込みがあれば大学生であっても採用試験を受けることが可能です。
その際、児童心理司だけの資格だけでなく、児童福祉司や臨床心理士など同じ系統の資格も同時に修得しておくと仕事の幅が広がりますし、児童心理司を行う上でも役に立つと言えます。ですから、時間があるのであればそちらの資格取得も検討しておくことをおすすめします。ただ、資格取得内容はそれぞれ違いますので、事前にきちんとチェックしておくようにしてください。
公務員なので就職出来れば待遇はとても安定していますが、求人数はまだあまりないというのが現状です。児童心理司が資格を活かして仕事をする場所は児童相談所・身体障害者更生相談所婦人相談所・知的障害者更生施設などいろいろとあります。業務内容は施設によって多少異なりますが、児童や保護者の心理状況を確認して把握して、問題の改善・解決を目指すというのはどこの場所でも共通していると言えるでしょう。
児童心理司(心理判定員)の資格を取るとどんな仕事につけるのか?
児童心理司の資格があるとどのような仕事に就くことが出来るのでしょうか。そもそも児童心理司は国家資格でもなければ民間資格でもありません。地方公務員試験に合格し、心理関係の職業に就くことで認められる資格になります。心理関係の職業に就いて認められる資格になりますので、児童心理司の資格を取得すれば仕事につけるということではなく、地方公務員試験に合格して心理関係の職業に就くことで資格が取得出来る少し変わった資格になります。
そして、そんな児童心理司は児童相談所・身体障害者更生相談所婦人相談所などで、児童やその保護者、障害者の方が自立するために心理学的な見地から援助を行う専門職になります。仕事内容はさまざまですが、主な仕事は対象となる心理状況の把握や確認をするための検査を行ったり、レクレーションやクラブ活動などを通じた集団療法、集団ではなく、1対1での対話面接による個別療法の指導を行ったりします。検査をしたり話しを聞いたりするだけではなく、子どもと一緒に遊んだりすることによる遊戯療法などもあります。
現代はストレス社会と言われていますが、ストレスを抱えているのは大人だけではありません。小さな子供もストレスを抱えるような時代になってきています。児童虐待などで子供が亡くなってしまうような悲しいニュースも多くあります。非常に残念なことですが、このようなニュースは後を絶ちません。それどころか増えているのが現状です。児童心理司は児童虐待を根絶するために活動を行っています。正直なところ虐待などを根絶するのは難しいのかもしれません。しかし、少しでも虐待を減らそうと努力したり、子供やその家族の問題を解決し、家庭環境を守るために大切な役割を担っています。
児童に関係するさまざまな問題というのはとても複雑です。児童虐待だけが問題ではありません。虐待でなくても登校拒否や非行に走ってしまった児童など心が傷ついている子供はたくさんいますし、児童の行動で両親が苦しんでいるということもあります。そのため、児童の抱えている問題と親が学校が訴えている問題が一致するとも限りません。そのような場合でも問題があると決めつけるのではなく、子供が何を考えているのか何を望んでいるのかということを考え、一緒に解決方法を見つけることが大切になります。その際、児童だけでなく親の話しを聞くことも指導をすることも大切です。
児童心理司は児童やその家族、障害者の自立を助けるための専門職と言えます。簡単に解決出来ない問題がほとんどですので、時間がかかる仕事ですし、思うようにいかないことの方が多い大変な仕事ですが、傷ついている子供やその家族の環境を守るという大切な役割を担っている重要な職業であると言えます。
現在、児童相談所が児童心理司にとって1番多い職場であると言われていますが、そのほかにも身体障害者更生相談所、知的障害者更生相談所、精神障害者社会復帰施設などで仕事をすることもあります。どこの現場に言っても児童心理司が面接や検査で心理判定を行うのは同じです。ですが、児童心理司は国家資格ではないので、児童相談所などで働いている職員が児童心理司の仕事も同時にこなしていることが多いというのが現状です。
児童心理司(心理判定員)の資格を取得する難易度
児童心理司になりたいと考えた際に気になるのが難易度だと思います。しかし、児童心理司というのは、「任用資格」です。任用資格というのは、特定の職業に任用されるための資格のことを言います。つまり、資格を取得してから仕事が出来るようになるのではなく、該当任用資格を取得した後に、当該職務に任用・任命されて働くことで初めて力を発揮する資格です。特定の仕事に就いた時に初めて資格として有効になるのです。
児童心理司の任用資格の場合、公務員採用試験という試験に合格して、児童相談所などの心理関係の職場に配属され、そこで働いた時点で認められることになります。その時点で児童心理司であるということを名乗ることが出来るようになるということです。通常の資格とは少し違いますので難易度を説明するのが難しいのですが、児童心理司の難易度というより公務員採用試験の難易度をまずチェックしなければなりません。
気になる公務員採用試験の難易度ですが、なかなか高いと言えます。まず、独学でこの試験に合格出来る確立というのはかなり低いと思います。絶対に不可能とは言えませんが、公務員採用試験を受ける方のほとんどは、公務員試験の専門の学校などに通って勉強をしています。
学部卒の学生でも受験をすることは出来ますが、受験者のほとんどは大学院卒です。それでいてかなりの高倍率ですので、学部卒の学生が採用を勝ち取るのはかなり難しいと言えます。また、不合格者の方でも半分以上は専門の学校を利用して勉強していると考えられます。それでも不合格になる方がいるぐらいですから、難易度はそこそこ高いと言えます。不景気ということも関係して、学生の公務員志向はとても高いので、国家公務員一般職試験の倍率はどんどん上昇傾向にあります。ですから、資格学校でしっかりと試験対策を行い勉強をして試験に挑む必要があります。
心理区分の受験資格は地方自治体によって違いますので、事前に受験できそうな自治体の公務員採用試験の情報を集めておくことをおすすめします。しかし、公務員、民間を問わず、心理系の職業の求人はそこまで多くないというのが現状です。どうせ採用するのであればより専門性の強い人を採用しよう!と考えるところが多いので、学部卒よりも専門の大学院を卒業している方がどうしても有利になるようです。
このようなことから児童心理司になる難易度というのも高めであると言わざるを得ません。なかなかの狭き門であると言えるでしょう。児童心理司を目指すのであれば、少しでも公務員採用試験での合格率を上げる努力をする必要があります。公務員採用試験での合格率を上げるためには臨床心理士の資格があると有利になったりしますので、まずそちらの資格取得を目指すという方法もあります。
公務員試験に合格し、心理系の職場で働くことが出来れば児童心理司を名乗ることが出来ます。公務員ですので、採用してもらえれば安定していると言えますが、希望どおりに配属されるとは限りません。児童相談所で仕事をしたいと思っていても別の場所に配属されてしまうということは良くあることです。納得いかないかもしれませんが、とりあえずはそこで経験を積むと良いと思います。
高校のころから児童心理司になりたいと考えているのであれば、高校の勉強をしっかりと行うようにしてください。児童心理司になるためには、大学入試、そのあとは公務員になるための採用試験に合格しなければなりませんので、高校のときに勉強する基礎学力はとても大切になります。出来るだけ学力レベルの高い大学に入学出来るように努力しましょう。偏差値の高い大学に入れるならその方が当然良いです。
心理関係の仕事について調べるというのも良いと思います。児童心理司とはどのような仕事なのかということを詳しく調べましょう。それだけでなく、臨床心理の専門職にはどのような仕事があるのかも調べることをおすすめします。自分に合う仕事はどのような仕事か、本当はどのような仕事に就きたいのかということを後々後悔しないためにもしっかりと調べておくようにしてください。