救急救命士とはどんな仕事なのか
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- 救急救命士とはどんな仕事なのか?
少し前までは医療行為というのは、医師免許を持っている医師にしか許可されていませんでした。ですから、救急救命士と言え処置を行うことは出来なかったのです。しかし、それでは救命率を上げることが出来ないですよね。そこで、致命率の向上を目的として医師ではなくても救命処置を行うことが出来るように救急救命士の資格が作られたのです。
そんな救急救命士はどのような仕事をするのでしょうか?主な仕事の内容は想像出来る方が多いと思います。救急救命士の主な仕事は救急車に同乗して病院まで搬送する間に処置を行う仕事です。ドラマやドキュメンタリーなどで取り上げられることも多いですし、実際に自分自身や家族が救急車に乗って救急救命士が活躍している現場を目の前で見たことがあるという方も居るのではないでしょうか。病気や怪我で苦しんでいる人に対し、病院に向かう救急車の中で医師の指示を受け適切な応急処置、救命手当てをします。
救急車に乗って病院に搬送される患者さんのすべてが命に関わる病気であるということはありません。しかし、緊急事態を要するから救急車を呼び搬送されるわけですから、通常よりも緊迫した状況にいることは確かです。
中には新派停止状態などの重傷な患者さんも居ます。そんな緊急事態の中で、無線や携帯電話などを使って医師の指示の下で救急救命の処置を行います。心肺停止状態の患者さんでない場合も適切な処置を行うのはもちろん、心肺停止状態の重傷な傷病者に適切な応急処置・蘇生処置を行い、病院などの医療機関に速やかに搬送することが救急救命士の1番の仕事です。
一分1秒を争う緊迫した場面で仕事をしますから、応急処置の知識はもちろん大切ですが、どのような場面でも冷静に対処しなければなりません。緊迫した場面でも冷静な判断が必要となる精神力が必要となるのです。時には目をそむけたくなるような場面に遭遇することもあります。事故現場などで腕が片方取れてしまっていたり、足がありえない方向に向いていたり凄惨な現場に出くわすこともあります。救急車にのった時は意識があったのに急に心肺停止状態になったり大変な状況に出くわすこともたくさんあります。そのような状況でもどうすれば良いのかを見極めて適切な処置をする判断力が必要となります。
救急救命士は、病院に搬送される途中の傷病者に処置をするスペシャリストです。止血処置や脈拍の測定などの一般的な医療活動はもちろんなのですが、心臓や呼吸の止まっている重傷な患者さんに対して医師の指示を受けて、救急救命処置を施します。救急医療行為を行うことも多い救急救命士は患者さんの命を預かっていると言えます。救急車に乗り病院につくまでの時間が患者さんの生死を分けることもあります。救急救命士は非常に責任が強い仕事であると言えます。
救急救命士のほとんどは消防官として消防署に勤めていて、救急隊員として事故や火事の現場に急行しますが、救急車に乗っている救急隊員が全員救急救命士というわけではありません。心肺が停止した危篤状態の傷病者を担当したり、処置出来る人が救急救命士です。そのため、消防庁では3人に1組の救急隊員の内、最低でも1人は救急救命士の資格を持つようにと指導されています。しかし、救急救命士であっても医師の判断なしで救急救命処置を施すことは禁じられていますので、電話などで医師の指示を受けながら処置しなければなりません。
救急救命士の仕事には事務作業もあります。一分一秒を争う現場に立ち会うというのが一般的な救急救命士の仕事のイメージだと思いますが、救急救命士の仕事はそれだけではありません。待機している時間も少なくありませんので、その間に事務作業を行うことも少なくありません。デスクワークだけでなく、救急車の中の設備や安全確認も大切な仕事です。救急救命士の所属は病院ではなく医療機関になりますので、務めるのは病院ではなく消防署です。ですから、出勤が少ない場合は消防の仕事をすることもあります。
そうはいっても消防士のように力仕事をすることはそこまでありません。基本的には24時間勤務のシフトで働くことになります。休憩と仮眠の時間は設けられていますが、緊急を要することのある仕事なので、出勤命令があれば現場に行かなくてはなりません。夜中に出勤しなければならないことも少なくありませんので、睡眠リズムが崩れやすく体調を崩すことも少なくありません。勤務した翌日は基本的に休みになりますので、1カ月の出勤日数はそれほど多くありません。ですが、1日の勤務時間が長く、不規則な生活になってしまうので、最後は体力勝負の仕事になります。日ごろから体力をつけるようにして、バランスのとれた食事などを心がけて健康に気をつけるようにしましょう。
- 救急救命士のやりがいや大変なポイント
救急救命士のやりがいというのはなんでしょうか?一口にやりがいと言ってもいろいろあると思いますが、救急救命士の1番のやりがいはやはり傷病者の命を左右する現場に立つということではないでしょうか。命を左右する現場に立つのがやりがいなの?と思う方も居ると思います。確かに人の命を左右する現場というのは大きなプレッシャーを感じますし、責任も感じることになりますが、それだけ全身全霊をかけて取り組む価値のある仕事であるということです。
医療業界というのはいろいろな問題を抱えていると言われていますが、救急救命士の特定行為はその中でも1番注目されていると言えます。救急救命士は医療知識・医療技能を持っていますが、それは医師や看護師とは異なるものとなります。医療機関で行うような基本的な治療などは出来ないことになっています。しかし、救急救命士は傷病者に可能な限りの応急処置を施して適切な医療機関まで速やかに運ばなければなりません。
救急車に乗るような心肺停止状態の傷病者は一分一秒を争う深刻な状況ですので、命を助ける可能性を高めるために、応急処置以上の医療行為を認めるべきという声が近年上がってきています。救急救命士が施術可能なギリギリの医療行為を特定行為と言うのですが、この特定行為も基本的には医師の無線で許可を受けたときのみしか行うことが出来ません。
救急救命士は危篤の傷病者に最初に向き合う医療従事者ですので、医療行為がどこまで許されるのかということは非常に大きな問題です。医療問題の最前線に立つ救急救命士の責務は非常に重いと言えますが、それだけやりがいのある仕事であるということは間違いないでしょう。
他の仕事ではなかなかあり得ない大きなプレッシャーの中で仕事をすることは簡単なことではありません。中には救うことの出来ない命もあるでしょう。しかし、人の命を助けることが出来るということは何事にも代えがたいやりがいに繋がるのです。
救急救命士として仕事をしていると助けた傷病者の方本人やその家族からお礼の手紙が届くことも多いようですが、そのような感謝の手紙を頂けるということも救急救命士の大きなやりがいとなります。お礼のお手紙から勇気をもらい、また次の現場に向かう大きな力をくれるのです。救急救命士の仕事というのは日々勉強ですが、自分が行った治療によって救われた人がいたら、そしてその本人や家族に感謝の言葉や手紙を頂いたら、これ以上のやりがいはないのではないでしょうか
しかし、人の命を左右する現場に立つということは肉体的にも精神的にもかなり体力を使います。事故や火事などの凄惨な現場に出くわすことも多いですが、どのような場面でも冷静に対処しなければなりません。救急搬送中に受け入れ先の病院がなかなか見つからないこともありますし、誤って患者さんの命を落とす事態になったりすることもあります。
どれだけ頑張っても最善を尽くしても救うことの出来ないときだってあります。しかし、それに慣れることはないし、慣れてはいけないことだと思います。どのような時でも最善さいぜんを尽つくしても助けられない時もありますが、そのことに慣なれることはありません。どんなときでも、人の死というものは悲しいものです。人命に関わる大きなプレッシャーをも背負うその過酷さをこえる意志や志が必要な仕事になります。
また、救急救命士の仕事というのは、医療従事関係の仕事の中でも特に勤務体系が特殊になっています。いつ救命処置が必要になるかわかりませんので、基本的には24時間勤務となります。6~8時間ほどの仮眠や食事休憩が設けられていますので、正式には16時間ほどの勤務になりますが、それでも他の仕事に比べると勤務時間は長いですし、朝から深夜まで消防署で待機し、通報があればすぐに出勤するというのはとても大変です。救急救命士・消防官たちの間では定年後の寿命は10年未満という冗談まであるほどハードで大変な仕事です。
その割には高給とは言えないお給料であるというのも救急救命士のつらいところです。ハードな職務内容でありながら、民間の医療機関で働いている医療従事者と比べるとやや薄給であると言えます。しかし、人の命を救いたいという強い気持ちがあるのであれば薄給ということはあまり気にならないことなのかもしれません。強い意志がないと出来ない仕事ですので、強い気持ちを持っているのであれば救急救命士という仕事をすることで大きなやりがいを感じることが出来ると思います。
- 救急救命士の仕事につくために必要な資格
救急救命士は国家資格ですので、救命救急士の仕事につくためには救急救命士の国家資格が必要となります。救急救命士の資格がなくても、救急車に同乗することが出来るのですが、救命処置を行うことはもちろん出来ません。
人の命に関わる責任の強い救命処置を行うには当然資格が必要となります。救急救命士になるためには救急救命士国家試験を受けて受かる必要があります。国家試験には受験資格が必要となります。救急救命士法34条で定められた救急救命士養成所で所定の単位を習得した者だけに受験資格が与えられるようになります。
それだけではなく、それに加えて消防官採用試験にも合格しなくてはなりません。救急救命士の勤務先は病院ではなく消防署になりますので、消防官採用試験にも合格しなくてはならないのです。では、以下に救急救命士になるための主なルートを紹介します。
- 2年制の救急救命士養成校を卒業する
高校を卒業してから、救急救命士養成所で必要な知識を2年間学んで、救急救命士国家試験を受験して合格する方法です。
しかし、救急救命士の資格が取れても、消防官採用試験に合格しなければ救急救命士として仕事をすることは出来ませんので、消防官採用試験も受けてそれにも合格する必要があります。
- 資格取得前に消防署へ勤務する
大学、短大、専門学校のいずれかを卒業してから、消防署の消防官採用試験を受けて合格して、消防署で消防隊員として勤務するという方法です。
・養成校で半年以上救急業務に関する講習を受ける
・5年以上もしくは2000時間以上救急業務を経験して、救急救命士国家試験を受験し合格する
以上のルートが主なルートですが、いろいろあるルートの中でも救命救急士の資格を取るのに最も最短な道は専門学校などの養成施設で必要課程を修了することでしょう。試験では基礎医学をはじめとして、様々な疾患や処置の仕方、医療に関する法律についてなど幅広い知識が問われますので、広い分野の知識を頭に入れておく必要があります。救急救命士の合格率は80パーセント前後です。合格率が高いからと言って試験が簡単というわけではありませんが、養成施設できちんと勉強していれば合格は難しくありません。ですが、知識だけ知っていれば良いというわけではありません。命の現場に立つ救命救急士は知識だけではなく、命を左右する現場に立つという覚悟、精神力を培うことが何より大切であると言えます。救急救命士になる=消防署に就職するということはワンセットです。
忘れてはいけないのがいずれの場合でも救命救急士の国家試験以外に消防官採用試験に合格することは必須となります。公務員ということもあって消防官採用試験は人気がある上に簡単ではありません。試験の倍率は10倍前後と非常に高くなっています。正直言いまして救急救命士の国家試験よりも難しいと言えますので、難関であるということを覚悟しておくようにしてください。
また、公務員試験はいくつか決まりがあります。29歳以下でないと受けることが出来ないというような年齢制限もありますし、体力検査や、身長、肺活量、視力などの身体的な制限もあります。目指している人であれば誰でも受けることが出来るというわけではありません。ですから、救急救命士になりたいのであれば早くから道を決めておく必要があります。自分自身が希望する消防署の受験条件など事前にきちんと確認しておくようにしましょう。
救急救命士の資格は取得したからと言ってすぐに現場で活躍出来るというわけではありません。人の命に関わる仕事ですからすぐに現場にでられるというわけではなく、先輩の下でいろいろと勉強して現場で経験を重ねて、じょじょに現場に出ていくことが出来ます。
以上の説明を見てもらってもわかるように救急救命士の資格を取得して救急救命士の仕事に就くまでの道のりは遠くとても大変です。しかし、人の命に関わる仕事に就くためには、それだけの知識と技術、覚悟などが必要となるのです。さまざまな場面で学ぶ知識や技術をしっかりと自分のものにして、人の命を左右する仕事に就くということに強い責任と覚悟を持つようにしてください。生死の現場に立ち会うことが多いので、強い精神力も必要不可欠となるでしょう。救急救命士として実務経験を重ねれば、各地消防学校などで研修をして薬剤投与認定など別の資格も取得すればさらなるスキルアップも目指すことが出来ます。