救急救命士とはどんな資格なのか
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- 救急救命士とはどんな資格なのか?
救命救急士という職業名をご存知の方は多いと思います。ドキュメンタリーやドラマなどでも救急救命士が出てくることも多いですし、有名な職業だと思います。将来なりたいと思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、救命救急士の資格について詳しく知っているという方は少ないと思います。ですが、救急救命士を目指すのであれば資格についての詳細も知っておくことが大切です。
救急救命士は国家資格になります。ですから、資格を取得するためには国家資格を取得しなければなりません。救急救命士の資格というのは医療関係の資格になりますが、医療関係の資格の中でも少し特殊になります。救急救命士というのは、救急を要する人に対しても処置をしなければならない職種です。もともとは心肺停止状態の傷病者に適切な応急処置を施し、医療機関までできる限り速やかに搬送することを目的に作られた仕事なのです。そのため、医師や看護師と比べると救命救急士の仕事は医療専門性が高くないのですが、傷病者の搬送や応急処置などに特化していると言えます。
救命救急士の資格は厚生労働大臣が認定している国家資格で、救急救命士になる方法は救急救命士法でいくつか定められています。救急救命士の資格を取得するためには国家試験を受けなければならないわけですが、国家試験を受けるためには受験資格を得る必要があります。代表的な受験資格は以下の2点です。
- 高校卒業者で学校又は救急救命士養成所において2年以上救急救命士として必要な知識及び技術を習得した人
- 消防法に規定する救急業務に関する講習の過程を修了して、5年以上又は2000時間以上救急業務において1年以上救急救命士として必要な知識及び技術を習得したもの
(現職の救急隊員の場合は6ヶ月です)
以上の条件を満たしていれば救急救命士の国家試験を受けることが出来ます。国家資格の中では比較的通りやすいと言われていますが、だからと言ってもちろん簡単なわけではありません。養成校で十分な医療知識と技能を身に付けた上での集大成が資格試験であるということです。
しかし、救急救命士国家試験に合格できても、消防官採用試験に合格しなければ救急救命士にはなれないので注意が必要です。救急救命士の仕事をする際に消防士の仕事もするというわけではないのですが、救急救命士の勤務先がほとんどは消防署であるため、消防官採用試験にも合格する必要があります。
救急救命士の資格というのは、実は平成になってから誕生した資格で、比較的まだ新しい国家資格になります。そのようなこともあり、就職先のほとんどは消防官の救急隊員に限られていたり、救急救命士が活躍するために必要な制度確立も地方によっては未完成な部分が多いというのが現状です。看護師など他の医療資格と比較すると融通が利かないと言えるかもしれません。また、救急救命士養成所もまだあまり全国にそれほど多くありません。
しかし、資格を取得したあとでもスキルアップすることの出来る職業です。救急救命士の資格を取得した後に消防学校で研修を受けて、らなるスキルアップを目指す救急救命士の方もたくさん居ます。救急救命士は気管の挿入や一部薬剤の投与などを行うことが出来ますが、一分一秒を争うシビアな現場で仕事をしますので、特定の資格が必要となるのです。日々の勉強を怠ることなく、努力と経験を重ねればスキルアップが出来ます。
しかし、先ほども言ったように救急救命士の制度はまだきちんと確立していません。それでいて非常に大変な現場で責任感の強い仕事です。ですから、正直言いまして単に医療関係の仕事がしたいというのであれば救急救命士の資格取得はおすすめ出来ません。人の命を救う救急救命士がどうしてもやりたい!という強い意志が必要となります。そのような意志がなければ資格取得も難しいと言えるでしょう。
- 救急救命士の資格を取るとどんな仕事につけるのか?
救命救急士の資格を取得すればどのような仕事に就くことが出来るのでしょうか。救命救急士はドラマなどでも目にすることの多い職業で、ドキュメンタリー番組などでも取り上げられたりされていますので、どのような仕事なのかということをある程度知っている方は多いと思います。
救急救命士は病気や交通事故などで緊急を要する患者さんを診療機関までに運ぶ間に救急車内でさまざまな処置を行います。緊急を要する場合は、静脈路確保のための輸液や、心臓への電気ショック療法などの救急救命処置を行わなければなりません。もしも、呼吸が停止してしまった場合、2・3分の間にどのように処置するかによって明暗を分けると言われています。医師のような行為は看護師ですら出来ないことが多いですが、救命救急士の資格があれば限りなく医師に近い手当をすることが出来ます。
しかし、医師に近い手当が出来るということはそれだけ責任も重いということです。それだけに従来は救急車内での医療行為は禁じられていたのですが、それでは救うことの出来る命も救えないことになりかねません。現場の救急隊員の強い要望と東京消防庁の武井勝徳氏が救急救命士の必要を日本医師会に訴えたことによって1991年から救急救命士法が制定されることとなり、翌年の1992年に救急救命士という国家資格が誕生しました。
救急車に乗って救命活動を行う救急隊は、「救急隊員」と「救急救命士」の2種類に分けることが出来るのですが、救急隊員と救急救命士の両者は異なりますので、認められている処置の内容も違ってきます。一般の救急隊員の場合は、意識や呼吸状態、心音の確認や、血中酸素飽和度、心電図の測定といった「観察」業務、人工呼吸や酸素吸入、骨折時の処置、血圧保持といった「応急処置」業務を行うことは認められていますが、医師と似たような手当は認められていません。
一方、救急救命士は救急隊員が行うことの出来る観察業務と応急処置業務に加えて次のような特定行為を行うことが出来ます。特定行為というのは、「医師の具体的指示を得た上で救急救命士のみが行える救急救命処置」のことを言います。
- 救急救命士に認められている特定行為
・のど元や気道の入り口までチューブを入れて酸素を送る「特定の器具を使った気道の確保」
・静脈に点滴を打って血液を増やす「乳酸リンゲル液を用いた静脈路確保」
・電気的刺激を与えて心臓の拍動を正常なリズムにもどす「半自動式除細動器による除細動」
救急救命処置の範囲はさらに拡大されていて、認定を受けた救急救命士だと気管まで管を入れて酸素を送る「気管挿管」や「強心剤(アドレナリン)の投与」を行うことも可能となっています。救急車の中では救急救命士が無線や携帯電話などを使って医師から直接指示を受けて救急救命処置を行うことになります。
救急救命士の資格があれば幅広い救急処置を行うことが出来るようになりますので、その点では救急の現場では希少な存在ということになります。救急の現場というのは何が起こるかわかりませんし、一刻を争いますので、少しでも多くの処置を行うことが出来るということは患者さんの致死率向上にもつながります。
救急救命士は救急医療の最前線に立つスペシャリストであると言えます。救急車に乗る人すべてが命の危険があるというわけではもちろんありません。しかし、人の命を左右しかねない状況というのは非常に緊迫していています。そのような中で、冷静に迅速に措置を施さなければなりませんので、危機状況下の中でも落ち着いて行動しなければなりません。
事故や事件が増えていることもそうですが、高齢化社会と言われている現在救急救命士は非常に期待されている職業です。高齢化社会は今後もさらに進み深刻化すると言われていますので、救急医療の最前線に立つ救急救命士の活躍はさらに重要となってきます。しかし、救急救命士の数は今のところ十分とは言えません。今後救急救命士の資格を持つ人の数がさらに増えることが望まれています。
同じ医療職ということで、救急救命士と看護師どちらの仕事に就くか悩む方も多いようですが、そのような場合両者の仕事の違いを知ることが大切です。看護師の1番の仕事は患者さんに対して怪我の処置をしたり、薬を投与したりして医師をサポートし、療行為を行うことです。術後の患者さんの身の回りのサポート、カルテの作成・整理、医療保険の適応処理などの事務処理を行うこともあるでしょう。
一方、救急有名紙は、命に関わるかもしれない患者さんの処置を行うことが多いです。必ずそうというわけではありませんが、心肺停止状態のケースを扱うことが多い職業です。心肺停止状態の傷病者の場合は1分1秒を争います。少しでも蘇生が遅れてしまうと脳にダメージが残ってしまうこともありますし、最悪の場合死に至ってしまいます。非常に緊迫した中で蘇生や応急措置を行い、適切な医療機関まで搬送をするのが主な仕事です。どちらが良いということはありませんが、どのような仕事をするのかということをしっかりと知った上で、自分はどのような処置をしたいのか、どちらが向いているのかを考えるようにしましょう。
- 救急救命士の資格を取得する難易度
救急救命士の資格を取得する難易度についてみていきましょう。まず、救急救命士の資格を取得するためにはいくつかのルートがあります。1つ目は高等学校を卒業した後に文部科学大臣が指定した学校または厚生労働大臣が指定した救急救命士養成所で2年以上救急救命士としての知識や技能を学び習得すること、もう1つは大学や救急救命法施行規則で規定されている養成所で1年以上修業をする、もしくは大学で所定の科目を履修し必要な知識や技術を習得するという方法です。消防隊員として勤務しながら半年以上養成所で講習を受けて、5年以上または2000時間以上の救急業務を経験することで救急救命士の資格を取得することも出来ます。そのほか平成3年の8月の時点で看護師資格を有しているまたは看護学校に在学してその後看護師資格を取得した場合にも受験資格があります。
救急救命士の資格を取得するまでのルートはいろいろあるのですが、一般的なのは指定された養成所を卒業して数年間知識や技能を学ぶことでしょう。しかし、以上に紹介したルートはあくまで救急救命士の資格を取得するためのルートであり、国家試験を受ける資格を得るための道です。救急救命士として働くためには救急救命士国家試験に合格しなければなりません。
国家試験と聞いて気になるのが合格率だと思いますが、救急救命士の国家試験の合格率は、だいたい80パーセント~85パーセントになります。もっとも低かったと言われている年でも合格率は80.1パーセントと国家試験の中では合格率が高いと言えます。国家試験の中では合格率が高めとは言っても簡単な試験ではありません。合格率が高い=難易度が低いということではないということです。合格率が高いのは養成校を卒業した人が真剣に勉強した証拠と言えるかもしれません。きちんと勉強などしていなければ当然合格することは不可能です。しかし、養成学校できちんと専門的な知識を学び、研修などを真剣にしていれば合格出来ないレベルではありません。
救急救命士の国家試験で出題される問題は医学の基本になります。出題範囲は医学知識と治療技術に関するものとなってます。その他には傷病者の搬送の際の注意点など救急救命士をする上で知っておかなければならない問題がたくさん出題されます。この問題は救急救命士として実際に働くときに必要となる知識で、傷病者の命を左右するとも言える重要な分野であると言えますので、しっかりと学習するようにしましょう。
救急救命士の国家試験には過去問題の本もたくさんあります。過去問題をまとめた書籍だけでなく、インターネットでも公開されています。救急救命士の試験は毎年似たような問題が出題される傾向にありますので、過去問題をすることはとても大切です。多くの問題を学習することが大切ですが、基本的なポイントを押さえることが1番大切です。
しかし、ここで気をつけなければならないのが一般的に救急救命士になるためには消防士の実務経験が必要となるということです。ま消防士になるということ自体非常に大変でかなりの努力が必要となります。救急救命士試験を無事に合格しても、次に消防官採用試験(地方公務員試験)を受験しなければなりません。これは救急救命士の就職先のほとんどが消防署であるということが関係しているのですが、この試験にも必ず合格する必要があります。
救急救命士試験と消防官採用試験では出題される問題も全く違いますので難易度を比較することが難しいですが、消防官採用試験は難しいと言われていますし、両方の学習を同時に進めなければならないこともありますので、簡単なことではありません。つまり、救急救命士の国家試験に受かるだけでは救急救命士になることは出来ませんので、救急救命士になるためにはかなりの努力が必要となるということを頭に入れておくようにしてください。