言語聴覚士とはどんな仕事なのか?
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言語聴覚士とはどんな仕事なのか?
言語聴覚士は近年広まりつつある職業ですが、まだどのような仕事なのかあまり知られていないというのが現状ですので、言語聴覚士とはどのような仕事なのか紹介します。言語聴覚士というのは生まれつきの障害、脳梗塞や脳卒中などの病気などでうまく話すことや聴くことが出来なくなった方、不自由のある方に対して言語能力や視覚能力を回復させるリハビリテーションを行うお仕事です。
話す、聴くなどだけでなくうまく食べることが出来なかったり、飲み込むことが出来ない方にもリハビリテーションを行います。英語だと「Speech-Language-Hearing Therapist」と言うことから、言語聴覚士は略して「ST」とも言われることがあります。同じリハビリテーションの仕事に理学療法士と作業療法士がありますが、これらの仕事と言語聴覚士の仕事内容は全く異なります。
言語聴覚士は話すこと聞くこと、それから食事のことまで生活する上で必要となる行動を幅広くカバーするお仕事になります。言語聴覚士の仕事で1番重要になるのが、「話す・聴く」ことです。この話すことと聴くことに障害を持っていると日常生活が過ごしにくくなってしまいますよね。相手とコミュニケーションを取ることが難しくなるので、生活に直接影響が出てきてしまいます。それは子供であっても大人であっても同じです。
うまく話すことが出来なくなるのにもさまざまな理由があります。生まれつきの障害の場合もあれば脳などの病気によって話せなくなる場合、心理的なことが原因で話すことが出来なくなってしまうこともあります。さまざまな理由から話す、聴くということが出来なくなりますので、言語聴覚士はその問題を探り検査などを行って原因を突き止めた上で、訓練プログラムを考えなければなりません。
話す、聴くというリハビリには身体的な運動を用いることもありますし、心理的に影響する運動を行うこともあります。絵を使用して言葉を引き出したり、言葉の発音の練習、呼吸の練習、唇や下の体操などリハビリの内容は多岐に渡り、患者さんによって異なります。
言語聴覚士は話す、聴くこと以外に食事についても関わることが多い職業です。うまく口を使って話すことが出来ない方は飲み込むという行為も出来ないことが少なくありませんので、話すことから飲み込み⇒食べるということに発展することが多いためです。リハビリだけでなく時には道具を作って食事がしやすくなるように援助することもあります。
他の職業の方から情報を集めるのも言語聴覚士の大切な仕事です。情報収集ってどういうこと?と思う方もいらっしゃると思います。言語聴覚士というのは専門性の高い仕事なのですが、言語聴覚士だけでリハビリが成り立つわけではありません。同じリハビリ職種や医療関係の職種の方と大きな関わりを持つ職種なのです。
例えば、食事の飲み込みなどのリハビリを行う時に、患者さんの手や体の運動機能を理解していないとリハビリを効率的に進めることが難しくなります。そんなときに身体的なリハビリを行い理学療法士の方からいろいろな情報を聞いておけばスムーズにリハビリを行うことが出来るようになります。
また、行ったリハビリは忘れずにしっかりと記録しておくようにしましょう。行なったリハビリの内容を記録することも言語聴覚士の仕事の1つです。記録しておけば患者さんの状態も良くわかりますし、これまでの経緯もすぐに理解することができ、これからのプログラムも考えやすくなります。記録しておけば仕事もスムーズに進めることが出来るのです。
言語聴覚士だけでなく、行ったリハビリの記録を他の職業の方が見ることもありますので、誰が見ても理解出来るように丁寧にわかりやすく記録をつけるようにしましょう。自分だけが理解できても意味がありません。他の職業間でもきちんと連携することが出来るようにすることが大切です。地味な仕事のように思いますが、この患者さんの記録をつけるという行為は言語聴覚士の仕事の中で隠れた重要ポイントでもあると言えます。
言語聴覚士の仕事のやりがいや大変なポイント
言語聴覚士はなれるまでにも時間がかかりますし簡単な仕事ではありません。しかし、仕事というのは大変な中にもやりがいがあるからこそ続けられるものです。では、言語聴覚士のやりがいとは何なのか?
やりがいは人によってそれぞれ違って当然だと思いますが、言語聴覚士の大きなやりがいは、やはり患者さんの回復でしょう。言語聴覚士の1番の役割でもある「話す・聴く」ということ。この行為が困難な方に対しリハビリを行うのが言語聴覚士ですが、口や舌、言葉などを訓練していくうちに患者さんが言葉を話せたりすることが出来るようになることがあります。それによって患者さんの生活が少しでも過ごしやすいものになれば言語聴覚士としてのやりがいも感じられるでしょう。
訓練中に言葉で患者さんとコミュニケーションを取りながらやり取りをする場面もたくさんあります。訓練と割り切って会話することが大切なのですが、会話をしていれば患者さんのことも少しずつわかってきますし、距離も少しずつ縮まってくるでしょう。信頼関係が出来ればリハビリもスムーズになりますし、患者さんの人としての背景が見えることもあります。このようなことも医療職である言語聴覚士ならではで、この部分にやりがいを感じる方も多くいるようです。患者さんと触れ合いがリハビリへとつながっていくのです。
また、言語聴覚士には話す・聴く以外にも「食事支援」という重要な役割があります。食事をうまく飲み込むことが出来ないなどの理由で、食事で苦労している方がスムーズに食事をすることが出来るようにサポートを行います。食べ方や飲み込み方のコツを教えたり、補助具を自身で作成したりして援助します。
中でも食べ方のコツを伝えたりする行為は、高い専門性を持っている言語聴覚士しかできないことがほとんとです。子供でも大人でも同じですので、訓練を受けて食べるという行為がスムーズになれば訓練を受けた人は喜びますし、日常生活も過ごしやすくなります。そのことが言語聴覚士のやりがいに繋がるでしょう。
ただ、言語聴覚士が行う訓練やリハビリはすぐに結果が出ないことが多いです。言語聴覚士だけでなく、リハビリ職というのはすぐに大きな結果が出ることを期待することが出来ません。毎日リハビリなどを繰り返す中で、徐々に変化が出てくるのです。例外もありますが、言語聴覚士の仕事をしていて短期間で劇的に良くなるということはほとんどないと思います。そのため、毎日一生懸命しているのに・・・と落ち込むこともあるかもしれませんが、すぐに結果が出ないのは当たり前のことなのです。
将来に繋げることが大切ですので、結果ばかりを気にするのではなく現在をしっかり見るようにしましょう。大変なことですが、変化があまり見られなくても根気良く続けることが大切です。
すぐに結果が出られないことに苛立ちや虚しさを感じるのは言語聴覚士だけではありません。むしろ、患者さんの方がそのような気持ちを抱えることが多いかもしれません。病気によって突然話したりする行為が出来なくなったことをすんなり受け入れるということの方が難しいですよね。そうなった場合、患者さんが訓練を拒否したり消極的になったりすることも少なくありません。
そこで大切になってくるのが患者さんとの信頼関係です。言語聴覚士は、言葉や食べ方に関する問題をかかえた人と深く関わりますので、リハビリを行う患者さんひとりひとりとしっかり向き合う必要があります。そうは言っても信頼関係を築くことは簡単なことではありません。患者さんが消極的になっている場合は尚更難しいです。かなり時間がかかってしまうこともあるかもしれませんが諦めずに向き合わなければなりません。
言語聴覚士が接するのはお年寄りだけではありません。若い方や子供と接することもあります。最近は、子供の現場で仕事をすることも増えてきていますが、子供相手だと言語聴覚士としての専門的な知識を持っているだけで対応出来ないことが多いです。知識だけでなく、子供との接し方や心理状態などを理解する必要もありますので、これも言語聴覚士の大変な部分であると言えるでしょう。
時にはご家族に協力してもらうことも大切です。そして、ご家族に助言や指導をすることも言語聴覚士の仕事の1つですが、身近なご家族であっても患者さんの状態を理解出来ないこともありますので、指導を素直に受け入れてもらえないこともあります。その時も理解してもらえるまで根気よく説明する必要があります。
言語聴覚士の仕事につくために必要な資格
言語聴覚士は国家資格で、言語聴覚士の仕事につくためには言語聴覚士国家試験に合格する必要があります。この試験に合格しないと国家資格を得られませんので、言語聴覚士として仕事をすることが出来ません。
国家試験を受けるためには受験資格を満たしておく必要があります。受験資格を満たすためには、高校を卒業下後に文部科学大臣が指定する4年制、3年制短大の大学か、厚生労働大臣が指定する3年、もしくは4年制の専修学校である言語聴覚士養成所に入学して、必要な知識や技術をしゅうとくして卒業をする必要があります。一般の大学を卒業した場合、2年制の専修学校で必要な知識と技術を学ばなければなりません。
最近は、言語聴覚士を養成しようとする学校が増えてきていて全国的にありますので、学校がなくて困るというようなことはほとんどないと思います。ただ、学校によって特徴がそれぞれ違います。自分自身に合う学校を選ぶか選ばないかでモチベーションが大きく変わってきますので、学校選びはしっかり行うようにしてください。
学校に行き、卒業するというのはあくまでも受験資格ですので、学校を卒業したからといって言語聴覚士になることができるわけではありません。卒業=受験資格の権利を得るということですので、そのあとしっかり勉強をして国家試験に受からなければなりせん。学校で試験対策も行ってくれると思いますが、自分自身でしっかりと勉強しておかないと試験に受からない可能性もありますので、きちんと対策するようにしましょう。
国家試験ですし、簡単に取れる資格ではありませんが専門性が高く1度取れば一生ものの資格であると言えます。少し前に比べると言語聴覚士の認知度は高まりましたが、まだ認知度はそれほど高くないのが現状で、求人募集もそれほど多くありません。しかし、言語聴覚士の人数もまだ少ないですので、就職先を見つけることはそれほど難しくないと思います。
一発で合格するのがもちろん1番良いですが、万が一試験に落ちてしまった場合はどうすれば良いのでしょうか?1度試験に落ちたからといって言語聴覚士になることを簡単に諦める必要はありません。仕事をしながら勉強させてくれるところもありますので、そういったところを利用して再度チャレンジしてみましょう。
高齢化社会がどんどん進んでいる現在、言語障害や食べたりする能力に問題が出てくる方は増えていますし、これからもさらに増えると考えられます。ですから、言語聴覚士の需要は今後さらに高くなるでしょう。活動の場もさらに広がることが考えられますので、まだあまり数が多くない言語聴覚士の資格を早めに取っておくというのも良いと思います。
言語聴覚士の仕事はかなり根気が必要になりますし、まだ不明な部分も多いので忍耐強く解決策を考える必要があります。人と接する仕事になるのでコミュニケーション能力も必要となります。そのため、忍耐力があり、思いやりがある方などに向いている職業であると言えます。