音楽療法士とはどんな資格なのか?
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音楽療法士いう仕事をご存知でしょうか。今はまだそこまで有名な職業ではないので、知らないという方も多いと思います。簡単に言うと音楽療法というのは、音楽が持っているリラックス効果や心理的効果を利用して、人の心身に働きかけて健康に寄与するものです。
音楽が好きという方や毎日必ず音楽を聴くという方も多いと思います。音楽を聴いているとワクワクしたり心が安らいで落ち着いたりするような感覚を持ったことがあるという方は多いのではないでしょうか。音楽によって救われたという方もいらっしゃいますよね。そのような気持ちが音楽療法の原点となっています。
では、そんな音楽療法士の資格とはどのようなものなのでしょうか。音楽療法士の資格は、国家資格ではありません。日本音楽療法学会が認定している認定資格です。学会認定音楽療法士資格試験という試験に合格すれば音楽療法士の資格を取得することが出来ます。しかし、誰でも簡単に試験を受けることが出来るというわけではありません。
音楽療法士の受験資格を得るためには、日本音楽療法学会が認めた音楽系の大学、もしくは専門学校を卒業する必要があります。中には通信教育とスクーリングを行うことで、受験資格を得られる専門学校もありますが、通信教育だけでは受験資格の取得は今のところ不可能ですので、スクーリングは必要不可欠であると言えます。ただし、時間がなかったり、仕事をしてから音楽療法士になりたいと考え目指している方などは、仕事をしながらでも通いやすい通信教育とスクーリングのある専門学校に行くと良いかもしれません。また、最近になって教育関連の修了者も音楽療法士の受験資格が与えられるようになりましたので、これから音楽療法士の受験資格の枠は増えると考えられます。
音楽療法士の資格試験は、筆記試験ではありません。資格の中でも珍しいのですが、試験内容は書類審査と面接となっていて就職活動のような感じです。通常の資格試験のような筆記テストがない代わりに書類審査を行う際は、音楽療法に関するレポートや研究発表が審査されます。ですから、音楽療法に関する知識は当然必要となります。
面接ではさまざまなことが見られますが、とくに重要視されているのが音楽療法士としての適性があるかどうかということです。適正を持っているかどうかというのは、質問形式の面接で見られることになっています。
音楽療法士の資格は国家資格ではないのですが、2015年現在日本音楽療法学会によって2つの認定制度が定められていますので、以下にそれぞれの制度について紹介します。
- 申請制度
一定の基準(1000ポイント)を超える実績のある人が、年1度の申請に申し込んで審査に合格すれば日本音楽療法学会認定音楽療法士になることが出来る制度です。
次にあげる各項目にポイント計算し、合計1000ポイント以上になると審査の対象になります。( 自己採点による申請となっています
・書類審査
1.音楽療法の知識(大学などでの履修)
2.講習会・学会への参加(15時間以上の履修)
3.臨床経験(事例研究レポートの提出)
4.研究発表
5.論文発表・著書
6.教育指導経験
7.その他
・面接
- 試験制度
日本音楽療法学会が認定している認定校の卒業生に受験資格が与えられ、試験に合格すると認定音楽療法士(補)の認定が受けられます。そのあと、3年間の実績経験を経ることで学会認定の音楽療法士になることが出来るというものです。
音楽療法士には以上のように2つの認定制度があるのですが、ほとんどの場合は試験制度で音楽療法士の資格を取得することになると思います。いずれの場合でも音楽療法士の資格があれば就職活動などに有利に働くことが多いでしょう。ただし、現状では資格手当などはつかないことがほとんどです。
ですが、音楽療法士が活躍出来る場はどんどん広がってきています。病院や学校、高齢者施設、最近ではホスピスや緩和ケア施設などでも活躍していて、これからもさらに活躍の場が広がる注目されている資格の1つです。
音楽療法士の資格を取るとどんな仕事につけるのか?
音楽療法士の資格は今のところ国家資格ではなく認定資格です。そのようなこともあり、資格を持っていても資格手当などがつくことはほとんどありませんが、音楽療法士として仕事をするのであれば資格取得はやはり必須であると言えるでしょう。音楽療法士の資格を持っていなくても、簡単な演奏をするといった音楽療法を行うことは出来ますが、資格を持っている方がさまざまな場面で有利です。
国家資格ではありませんし公的な資格もありませんが、民間の音楽療法士の資格を取得するためには受験資格を得る必要もありますし、民間であっても資格を取得することで知識が広がるだけでなく、仕事の幅も広がります。就職にも有利になるでしょう。日本ではまだそれほどメジャーな資格ではありませんが、海外ではすでにかなり注目を集めている資格です。残念ながら日本では現在、常勤での勤務先はほとんどないのが現状なのですが、今後日本でも需要が高まる資格であることが考えられます。
音楽療法士は、障害者や高齢者、精神病やストレスによる不安などを抱えている人を音楽の力で癒すのが仕事です。音楽が持っているリラックス効果や心理的効果を利用して、人の心身に働きかけて健康に寄与するのです。音楽の力というのは想像以上で、近年は自らが法人を起して音楽療法を常時行うという人も増えてきています。
中でも障害者のご家族からの依頼が多く、精神病で苦しんでいる方にも非常に有効であると言われています。音楽が持つ力を利用して、心身に障害を持っている人のリハビリテーションを行うのです。実際に音楽を聴いて気持ちが楽になったという経験がある方はとても多いでしょう。中には自殺を考えていたけど、ある音楽のおかげで自殺を思いとどまったという方もいます。音楽にはそれだけ大きな力があるのです。
音楽療法の手法には、クラシック音楽などを聴かせることで果をもたらす「受動的音楽療法」と、リハビリテーションを受ける人と音楽療法士が一緒に歌を歌ったり、演奏したりする「能動的音楽療法」があります。
音楽療法士として仕事をしている人は年々増えていますし、活躍できる場所もどんどん増えています。病院や学校、高齢者施設、NPO法人などさまざまな場所で音楽療法士は活躍しています。しかし、先ほども述べたように音楽療法士の求人は日本ではとても少ないです。
ですが、音楽療法士の重要がないというわけではありません。需要は高まってきているのですが、日本ではまだ専門分野として音楽療法士という資格が確立されていないのです。資格があれば専門的な知識を持って取り組むことが出来るのですが、音楽療法士に特化した求人は少ないのが現状です。ですが、アメリカなどでは健常者のカウンセリングに音楽療法が取り入れられることも多く、音楽療法の可能性はどんどん広がってきています。そのうち日本でも音楽療法士の必要性は高くなることが予想出来るでしょう。
日本はずいぶん長い間ストレス社会と言われています。ストレスだけではないと思いますが、うつ病や心の病気になる人も多く、いじめや自殺などの数も増えています。とれも悲しいことですが、それを少しでも食い止めるために心の病についての社会の意識も高くなっています。音楽療法は、このような心の悩みや問題を抱えている人のケアを目的としていますので、ストレス社会である現代にはとても効果的な療法です。そのようなことから、専門職として今後さらに音楽療法士の活躍の場は増えると考えられるでしょう。今後、日本でも音楽療法士という仕事の認知度が上がり、音楽療法の効果や可能性を理解してもらうことが出来れば、どんどん広がる可能性のある資格であると言えるのではないでしょうか。
- 音楽療法士の資格を取得する難易度
音楽療法士の資格は今のところ民間資格です。国家資格などではありませんが、資格を取得するためには音楽療法士の試験を受けるための受験資格を取得する必要があります。音楽療法士養成協議会によって定義された短大や大学でのカリキュラムを修了して、無事に卒業すれば認定試験の受験資格を得られることが出来ます。
その一方で、認定音楽療法士という資格もあります。こちらは、独自の認定基準が設けられている資格で書類審査と面接試験に合格したものに資格が与えられるというものです。5年ごとに更新もありますし、なかなか厳しいですので通常は学校を卒業して認定試験を受けるのが一般的です。
音楽療法士の試験には通常の資格試験のような筆記テストはありません。認定試験自体は、書類と面接になります。少し変わっていますが、書類と面接を行うことによって最終的なチェックをするというような感じです。
書類審査と面接の前に必修講習で音楽に関する基礎知識とさまざまな専門的な領域の実技テストが実地されることになっています。これは資格試験というわけではありませんが、このテストに受からなければ書類と面接に進むことが出来ません。
楽療法概論、発達障害・高齢者・リハビリテーション・精神科・ホスピス緩和ケアなどの各論、音楽療法技法(音楽系)、(非音楽系)、音楽療法研究など豊富な内容をクリアしなければならず、そのほかにもピアノや音楽の基礎の実技テストがあります。これらすべてに合格し、書類審査と面接を通過した人だけが音楽療法士の資格を取得することが出来るのです。
音楽療法士は民間資格の割には難易度が比較的高いと言えるかもしれません。試験が難しいというよりも、そこまで辿りつくまでの道のりがなかなか厳しいのです。養成期間を考えれば最低2年以上は必要になりますし、最終審査である書類や面接にたどり着く前に実技テストなどもクリアしなければなりません。そのため、総合的に見て一般の民間資格よりもハードルが高く難易度はそこそこ高めと言えそうです。
音楽療法士の試験は年に1度だけ開催されています。試験自体の費用は1万円とお手頃ですが、認定量が3万円ほどかかりますので注意してください。また、資格を取得するまでに短大または大学による専門養成課程を修了しなければなりませんので、通常の大学進学と同じだけの費用はかかります。
音楽療法士の資格を取得するための勉強方法ですが、筆記試験だけではないので自分自身だけで勉強することが難しいこともあります。実技試験など体で表現しなければならないものもありますから、講習に通うというのも1つの方法だと思います。
音楽療法士になるとセッションなどを行うこともあります。セッションでは自分がメインで演奏するのではなく、相手のリハビリやアシストをうまく行わなくてはなりません。そのため、精神障害者、発達障害のある子供、認知症の高齢者など個々に即した学習が、各論としてカリキュラムで組まれています。対象の個別性を踏まえてどのように作用するのかを常に考えながらコースをこなすことが何より大切になり、それが合格の近道であると言えるのではないでしょうか。
そのためにはまず楽典をはじめとして、ピアノなど音楽の基本的な知識をしっかりと身につけるようにしてください。そして、そのあと相手が歌いやすいように、演奏しやすいように体で体現出来るようにしましょう。